目の健康にも気を使ってますか?
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皆さんは自分の目のケアをしていますか?状態を知っていますか?
10月10日は「目の愛護デー」です。二つの10をそれぞれ横にすると人の顔の目と眉に見えますよね。
「目の愛護デー」は目の健康を守るために制定された記念日で、毎年全国各地で眼科検診や目の大切さを呼びかける運動やイベントが企画され行われています。
じつは目の愛護デーには60年以上もの歴史があります。1931年(昭和6年)に中央盲人福祉協会が主催、内務省・文部省の後援で【失明予防の運動】として10月10日を「視力保存デー」と定め活動を始めたのがきっかけと言われています。その後1938年(昭和13年)~1944年(昭和19年)は9月18日を「目の記念日」としていましたが、戦後の1947年(昭和22年)に内容も見直し、再び10月10日を「目の愛護デー」とした経緯があり現在にいたります。
昨今、インターネットやパソコン・スマホの普及により大人も子供も日常的にモバイル端末を使う機会は増えていて、コロナ禍がそれにさらに拍車をかけました。勤務体制やお仕事柄、仕事中もプライベートでもずっと画面とにらめっこという人もいらっしゃるかもしれませんね。
端末の画面の光は目に負担をかけることもあります。厚生労働省でもディスプレイを用いる労働環境に対する労働衛生管理のガイドラインを設けて、目など身体の健康を守る必要があることを示しています。
私たち軽貨物運送業においても他人事ではありません。端末はマップやお客様の荷物の状況管理に毎日利用しますし、なにより車の運転を伴う仕事ですから目の不調は事故へとつながるリスクになりかねません。身体が資本の仕事とよく言われますが、その中にはもちろん目の健康も含まれているわけです。
目の不調といえば「疲れ目・眼精疲労」ですね。このような世の中ですからこれを感じないという人はほとんどいないでしょう。疲れ目や眼精疲労の原因は生活習慣やストレス・睡眠不足といった他からの影響から、近視・遠視・ドライアイや目の病気といった目の状態によるもの、目を使う環境によるものと様々です。
根本的な生活改善や治療、眼鏡等の調整が必要なものもありますが、疲れ目・眼精疲労による症状そのものについてはセルフケアである程度予防・回復させることができます。
【セルフケアの5つの方法】
➀意識して瞬きをする
パソコンやスマホなど端末を見ている時操作している時は瞬きの回数が減少していることが多く、ドライアイを招くことにもなるので瞬きを忘れないようにしましょう。
➁コンタクトレンズの使用を控える
コンタクトレンズは高度管理医療機器で副作用・機能障害を生じた場合の人体へのリスクが高い医療機器として位置づけられていて、使用の際には正しい使い方を求められることをよく念頭においておきましょう。また、医療機器であるとはいえ使用中は目に異物を入れているのと同じ状態であるので、目への負担は大きく、調子がよくないと感じる時は特に使用を控えたほうが良いです。
➂環境を見直す
目を主に使う作業や行動をする時の場所やそこの明るさを考えたり目との距離が近すぎないかなど、できるだけ目に負担をかけない環境で使用するようにしましょう。時々目を休めることも忘れずに。
➃蒸しタオルを使う・マッサージを行う
目の周りを温めたりマッサージすることで血行がよくなり目に関わる筋肉のコリがほぐれます。今は使い捨てやレンジで温め繰り返し使える温アイマスクもたくさん売られていますね。香りがついていてリフレッシュ効果のあるものもあります。
➄ビタミンを摂る
・ビタミンA⇒目の粘膜を保護し、粘膜を良い状態に保つ
ブロッコリー、かぼちゃ、鰻、レバー、紫蘇、小松菜、人参、チーズなど
・ビタミンC⇒目の水晶体の老化を防ぎ、目の疲れや充血を防ぐ
イチゴ、キウイ、じゃが芋、さつま芋、ほうれん草、ピーマンなど
・ビタミンB⇒目の疲れを防ぎ、目から脳への神経伝達機能を良好に保つ
豆腐、海苔、牛乳、卵、納豆、しじみ、鰯、秋刀魚など
・DHA⇒ドライアイの予防、視力の改善、疲れ目の防止に効果がある
まぐろ、かつお、ぶり、さんま、あじなどの青魚
・ルテイン⇒加齢黄斑変性症や白内障を防ぐとされ、目を守るフィルターの役割も担う
ほうれん草、ケール、キャベツ、レタスなど
・アスタキサンチン⇒重度の眼精疲労や目の奥からくる痛みなどに効果的
鮭、いくら、かになど
・アントシアニン⇒目の神経伝達をよくする効果と光を感じるロドプシンという物質の再合成を促す効果がある
ブルーベリー、ブドウ、茄子、紫蘇、赤キャベツ、黒豆など
目は自覚症状がないとなかなかケアしないことが多いと思いますが、自分で少し意識を変えて目のセルフケアをすることでもう少し快適に健康に過ごせるはずです。
ここで車の運転と目の健康についても確認しておきましょう。
車の運転に関わって特に自分の目のことを考えるのは免許の更新の時ではないでしょうか?
普通自動車の免許の更新に必要な視力は次のように定められています。
『左右いずれも0.3以上なおかつ両眼の視力が0.7以上であること』
『左右いずれかの視力が0.3に満たない又は見えない場合はもう片方の視力とあわせて0.7以上なおかつよく見えるほうの目の
視野が左右150度以上あること』
これを満たせない場合は免許の更新はできず、眼鏡などの調整が必要になります。
視力の低下だけなら良いですが、目の病気の可能性もないわけではありません。
目の病気には白内障や緑内障・網膜色素変性症や黄斑変性症など様々ありますが、全体の4割が視野が狭くなる疾患です。
勘違いしてはいけないのが、加齢に伴って視野が狭くなるのではなく、加齢に伴って視野が狭くなる目の病気にかかる可能性が高くなるということです。目に見づらくなったなどの自覚があるのなら、それは「歳だから仕方ない」ではなく「目の病気かもしれない」ということなのです。
運転免許を保留又は取消されてしまう病気というのが定められていて、認知症などはまさにそれに当てはまるわけですが、意外なことにその病気の中に目の病気はありません。中心視力が良好な場合は明白な視覚障害が認められても免許の取得・更新は十分可能なのです。
例えば、視野が狭くなっていく代表的な目の病気である「緑内障」であっても車の運転は可能です。40歳台で50人に1人、80歳台では9人に1人の有病率と言われます。しかし運転ができるからと言ってそのままで良いというわけではありません。自分の状態を知らなければ事故を起こしてしまう確率は上がりますし、その後の生活の不自由度にかかわってもきますので早く発見できたほうがもちろん良いのですが、緑内障は患っている人の8割が部分的にかすんで見える程度や自覚症状がないという状態で、徐々に進行するため自覚しづらいという特徴があり早期に発見するのが難しいのです。
もし、運転中目の前に突然車や自転車が現れた又は消えたということや、いつもあるはずの標識や信号がなくなったというような経験をしたら緑内障を疑った方がよいでしょう。
老化現象によるものであり、ほとんどの人が加齢とともに経験する目の疾患といえば「白内障」ですね。60歳台で約4割、70歳台では8割以上の人に見つかるといわれ、早い人では40歳台で患う人もいるそうです。視力の低下・まぶしさ・目のかすみが主な症状です。こちらは、運転中に対向車のライトがいやにまぶしくて視界が悪くなるということや、ライトを見た後ライトの残像でよく見えなくなること、免許更新時に視力検査でひっかかってしまったというようなことがあったら白内障を疑い、もしそうであったなら手術を検討したほうが良いでしょう。今は入院の必要もなく、問題なければごく短期間で再び車の運転もすることができますし、手術をすることで交通事故リスクが約9%減少するとの研究結果もあります。
緑内障や白内障に限らず、目は片方が悪くてももう一方が補い見えてしまうので患っていることを自覚できないことが多いと言われます。そのため、発見のきっかけは人間ドックや眼鏡やコンタクトを作る時の検査でたまたまというケースがとても多いそうです。
40歳過ぎたら一度受診してほしいとの眼科医の意見もあります。免許更新時の検査では両眼での視力が0.7以上であれば視野の検査はしません。疾患を発見するための検査をする場ではないからです。つまり、しっかりと自分の目の状態をつかむためにはセルフチェックと自主的な受診が必要であり大事なことであるということです。
まだ数は多くはありませんが今は「自動車運転外来」というものを設けている病院やリハビリステーションがあります。ここはドライビングシミュレータや様々な検査を通じて自分の視野と運転能力を分析、本人とその家族に理解してもらい、必要があればリハビリも行う外来です。できれば定期的にかかりつけの眼科を受診し、目の疾患と向き合わなければいけなくなった時には自動車運転外来も利用すると良いでしょう。
目の愛護デーをきっかけに、いつもよりちょっと自分の目のこと考えてみませんか?