「置き配」について再確認しよう
庚伸物流のホームページにお越し頂き、ありがとうございます。
寒暖差に苦戦することもありますが、ようやく過ごしやすい気候になってきました。
軽貨物運送業に携わる人にとっては夏の繁忙期も過ぎ、少し余裕のある時期でもあり、体調を整えたり相棒である車を整備したりと、できた時間をドライバーの皆さんは有効に使っていらっしゃることと思います。
緊急事態宣言も全国で解除され経済が活発になる期待もされるところですが、ホッとするとどこか気が緩むもので、リラックスできることは悪いことではありませんが、漫然な仕事ぶりになりサービスの質の低下につながることがあってはいけません。
今回は緊急事態宣言のあるないにかかわらず今後も利用は多くあるであろう「置き配」について改めて確認しておきたいと思います。
「置き配」は荷物を受取人が指定した場所に置いてくる配達方法の一つです。
トラブルのもとが多いとされるこの方法はこれまで御法度とされてきましたが、このコロナ禍において感染予防対策として大手ECサイトであるAmazonが推奨したことから注目され瞬く間に広がりました。
再配達の手間なく荷物が配達完了できるという点で配達ドライバーと受取人の双方にメリットがあります。
しかしもともとデメリットも多い配達方法のため、同時に配達ドライバーが注意すべき点も多々あります。
置き配が解禁されて以降、あちこちで下記のような置き配トラブルが起きています。
・配達したとのメールが届いたが、荷物を置いた写真の添付はなく荷物も置かれていなかった
・応対を避けるために置き配を指定したのにインターホンを鳴らして手渡ししてきた配達員に困惑した
・雨の日に在宅していたのに荷物を置いて行かれ購入した商品が濡れてしまっていた
・ドアが開く軌道に荷物が置かれていてドアが少ししか開かず、家に閉じ込められた
これらは一部ではありますが、いろいろなクレームがきていることがわかります。
では具体的にどういったことに気をつければよいのでしょうか?
〇目立たない場所に置く➡盗難の防止
置き配の一番のリスクは盗難です。指定場所が玄関口など人の目につきやすい場所の場合、その中でも端に寄せるなどして目立たないようにしましょう。
宅配ボックスを設置してあるお宅であっても特に暗証番号式のものは、配達員が残していった暗証番号とボックスナンバーを手に入れ持ち去られた事例が実際あるそうなので油断はできません。
ちなみに指定された場所に正規の方法できちんと配達した荷物が盗難されてしまった場合、配達ドライバーの責任にはなりません。もしお客様からそういった荷物の問い合わせがあった時はECサイトや配送会社の問い合わせ窓口を案内します。
〇誤配リスクが対面の配達より高い➡不安な点があれば置き配指定であっても受取人確認をする
置き配は確実に荷物配達完了できる一方で、荷物の受取人に直接住所や宛名を確認することがないので誤配のリスクが増えます。
分譲住宅などでは、一つの家に対して一つ又はそれ以上の土地があるのが普通なので、隣の家と同じ住所になることはまずありませんが、広い土地を持つ大家さんが同敷地内にたくさん借家をもっているような場合は同じ住所に数軒あることもありますし、古くからある地域では同じ名字の家が並んでいることや、表札がない家や表札の名字は受取人の旧姓であったり、伝票の漢字が読めないといったこともあって、配達先のお宅が特定しづらく似かよっていて間違いやすい場合があります。
このような場合、置き配指定であってもインターホンを鳴らし理由を述べて受取人確認をさせてもらいましょう。お叱りを受ける可能性もありますが、間違えて大きなクレームに繋がるよりかはずっとよいはずです。
〇天候(雨・風・日射し)を考えて置く➡荷物の濡れ・紛失・損傷の防止
指定の場所を見つけ置き配できた時、その場所にそのまま置いていって本当に大丈夫かちょっと考えてみて下さい。
置き配を頻繁に利用する人も増え、今では宅配ボックスやワイヤー付き宅配袋などを設置しているお宅もありますが、場所によっては天気が崩れた時に荷物が雨で濡れてしまったり風で飛ばされて紛失してしまう可能性や、陽のあたる場所に食品や高温に弱い品物の荷物を置いておくことで品質を損なわせる可能性があったりします。
それらを考慮し、指定された場所の中でも屋根のある場所や陽のあたらない場所に置く、風が強い時は壁に寄せる・可能なら括りつける、あらかじめビニールシートや大きなビニール袋を用意しておき、雨が降っているまたは心配な場合はそれらをかぶせたり包むなどの配慮は必要です。大雨の状況下では持ち戻るほうが無難でしょう。
※食品の荷物に関しては受取人が置き配指定になっていることに気づかず注文しているケースもあるようです。そのような荷物があった場合、特に夏場は食品は傷みやすいので、不在票に食品の為持ち戻る旨を記載し持ち戻ったほうが良いです。(そもそも食品の置き配は不可のところもあります)
〇無理に置き配しない
指定の場所に入れない場合や、すでに他の荷物が置いてあったり、どう考えても安全ではないなどで荷物を置けないと判断した時は無理に置き配せず、声をかけ不在であれば持ち戻りましょう。
例えば、マンション・アパート・団地等では管理組合によって定められた規約があり、受取人が置き配指定していてもそのルールに従った置き配でないといけません。そのためルールに反していれば受付などで受け取りを拒否されるようなこともあります。
また大手ECサイトや各宅配業者では、それぞれ置き配できない場所や荷物・置き配の条件を設定しています。配達ドライバーもその内容をしっかり理解し、現場の状況と照らし合わせ確認した上で判断することが大事です。
これらの注意点の他にもトラブルの原因として、配達員の「データの入力間違え」、またこれは主に受取人側ということになりますが、同居人が知らずに受け取っていたが受取人はそれを知らされてなかったという事例や置き配指定の際に細かく書き込めるコメント欄があまり活用されていないなどの「コミュニケーション不足」が指摘されています。
置き配は「個建て(=段ボールや通い箱1つあたりの輸送料)」で稼働する配達ドライバーにとって効率的に稼げる手段となっていて、置き配の解禁により宅配の大きな問題の一つである持ち戻りや再配達が少なくなったのも事実です。お客様がリスクを充分理解した上で置き配を選択してくれることは配達する私たちにとっては大変嬉しいことですよね。
ですからなおさら「リスクがあるのをわかっていて利用しているのだから」という感覚ではけしていけないのだと思います。先を見越して大事な荷物が何事もなくお客様の手元に届くよう配慮できるのが配送のプロではないでしょうか。置き配を通じて、配送ドライバーの質が問われているとも言えますね。
置き配は基本的にトラブル・クレームになりやすい配達方法であるということを念頭に置き、細心の注意を払って確実な配達先でのみ行うようにしましょう。
庚伸物流ではより安心安全なサービスを提供すべく、日々精進しお客様の荷物を大事にお預かりお届けしております。
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